年末の注文、 掛け鯛 、赤貝(サルボウ貝)など

掛け鯛/懸け鯛

早いもので今年もあと2週間程で終わってしまいます。

当店では忙しいのは年末までで新年からは例年魚があまり獲れないこともあり、10日程休みを頂いています。

そろそろ年末のブリや赤貝(サルボウ貝)の注文をお客様に伺っていますが、私の場合この 掛け鯛 を見ると年の瀬の実感が湧きます。

掛け鯛/懸け鯛

  1.  昔の正月の飾り物。2匹の塩鯛をわら縄で結び合わせ、かまどの上や門松などに掛けたもの。小鯛を用いたので「掛け小鯛」とも。 新年》「―の影や柄杓(ひしゃく)のささら浪/紅葉」
  2. 祝儀の飾り物。2匹の生鯛を美しい縄でくくり、台の上に置くもの。

コトバンク デジタル大辞泉 掛け鯛/懸け鯛 カケダイ より

私の家では最近はやっていませんが昔から正月になるとこの掛け鯛を神棚に置いていました。

六月一日に下ろして食べると邪気を払うとされるとされていますが、我が家では正月が終わるとすぐに食べていたような気がしますw

魚屋をやっていると地元の習慣、風習というものを身近に感じるものですが、この掛け鯛もその一つです。

こういった風習は後の世代にも残していかなければならない貴重な文化だと思っています。

赤貝(サルボウ貝)
赤貝(サルボウ貝)

お正月の魚介類といえばこの赤貝(サルボウ貝)もその一つで、こちらの地方では正月に赤貝(サルボウ貝)の煮付けがないと正月が迎えられないと言われるほどです。

本物の赤貝を一回り小さくしたような赤貝(サルボウ貝)ですが、近年漁獲量が減ってしまって、今年なんかは値段が去年の3倍近くにもなっています。

地元のお客様から毎年年末にかけて注文を頂くのですが、この品薄状態を見て今年はひょっとしたら手に入らないかも知れないなと思っています。

そういえば中海でサルボウ貝の養殖に成功したとの話を聞いていたのですが、調べて見るととんでもない高さでとてもお客様にオススメできる値段ではありません。

また高値なことに目を付けた悪者達が中海の養殖サルボウ貝を盗難しまくっているようで、さらに品薄状態になっています。

少し長いですが中海での赤貝盗難事件の記事を引用します。

養殖場から出荷直前“貝”盗難…その手口

鳥取県と島根県にまたがる湖、中海(なかうみ)を訪れた。ここで採れるのが赤貝の代用品「サルボウ貝」だ。
漁師・小笹達夫さん「ここら辺では赤貝というんです。正式名は『サルボウ貝』」
地元では“赤貝”と呼ばれている中海産のサルボウ貝。赤貝と似たオレンジ色の身で、今が旬の高級貝だ。かつては一大産地だったが、環境悪化で“赤貝”が姿を消し、漁協は復活に向けて5年前、カゴでの養殖を始めた。しかし出荷直前の先月、何者かにカゴごとすり替えられたという。

(中略)
盗まれたのは、合計で約400キロ。被害総額は80万円にものぼるという。
ようやく“赤貝”の出荷量が増えてきた中での盗難に、漁協は――。
中海漁業協同組合・外谷久人組合長「(盗難は)非常に残念ですけど、なんとしても(産地を)復活させてくれと、期待をいただいてますので」

松江の郷土料理にも影響が出ている。連日、完売するほど人気の“赤貝めし”弁当。甘辛く炊きあげた“赤貝”がたっぷり入っているが、盗難にあったことで仕入れが減少したという。
一文字家・景山直観社長「漁師さんたちの魂がここに入っているので、地元の人間としては本当にショックでした」
漁師は、今後も盗難が続くようなら警察に被害届を提出するという。

 

引用 yahooニュース 養殖場から出荷直前“貝”盗難…その手口

北海道ではイクラ、宍道湖では大和シジミ、中海では赤貝(サルボウ貝)と魚介類の盗難事件が多いですね。

それだけ近年は魚介類の値段が高騰してきているということでしょうが、生産者の努力や生活を踏みにじる行為ですので厳しく取り締まってほしいと思います。

境港から美保関に渡って松江に向かう国道431号線にある道の駅「本庄」で中海の養殖赤貝(サルボウ貝)を購入できるらしいですが、私はあまりの値段の高さに目玉が飛び出ましたw

ちなみに当店の扱うサルボウ貝は有明産になります。

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