甘鯛 (アマダイ) の干物が人気です
猛烈な暑さだった夏が終わり過ごしやすい季節になってきました。
喉元過ぎれば・・という諺にもあるように、既にあの灼熱地獄の夏のことを忘れている自分にビックリしますw
人の記憶なんてこんなものなんでしょうね~、わずか2か月程前のことですが・・
当店にとって涼しくなってくれたことは「屋外での移動販売が楽になった」こともありますが、同時に干物作りのシーズン突入を意味しています。
天日干しで干物を作るには適した湿度や気温、風の具合などが必要ですが、適した環境が揃い始めるのがこの秋口からになります。(当店の作り方の場合ですが)
当店ではアジ、サバ、イワシなどの青物から鯛やオキギス、のどぐろ、カレイ、カマスなど様々な干物を作っています。
店頭販売や移動販売での地元のお客様の場合ノドグロ、エテガレイ、ベランスガレイなどの定番商品が人気の干物になりますが、ネットでの注文では少しお客様の好みが変わっていて、ノドグロは鉄板人気で変わりませんが 甘鯛 や鯛、タラなど地元ではあまり見向きもされない干物にも人気があります。
育った地域や家庭の食文化の違いが表れているようですが、ネットで気軽に遠方の食品を買える時代になってきましたので、いずれは地域による食文化の違いも無くなっていくような気がします。
「食べつけた物しか食べない」というガンコな境港の地元のお客様には関係ない話ですがw
甘鯛 は最も高価な魚の一つ
今回ご紹介したいのが通販で人気がある「甘鯛」の干物です。
世間で「甘鯛」と呼ばれて食されている魚は「アカアマダイ」という種類で、関西では「グジ」と呼ばれています。
あまり境港の地元では人気がない甘鯛ですが、関西では高級和食の食材として大変人気がある魚で古くから割烹料理などに利用されてきました。
今は関西だけでなく関東でも割烹料理などで使われている高級な魚です。
身は白身ですがやや水っぽいので刺身で食べられることは少なく、主に塩焼きや西京焼き、一夜干しなどの焼き物として食べられています。
関西にいた時に何度か甘鯛を食べる機会がありましたが、塩を振って焼いて食べるのが一般的のようで私は焼き物しか食べたことがありません。
中でも多かったのがやっぱり干物でしたが、独特な風味に舌鼓を打ったのを覚えています。
境港に戻ってから甘鯛の干物を作り始めましたが高級魚と言われるだけあっていい値段がするのと、地元の方々があまり甘鯛自体を食べないので積極的には作っていませんでした。
ところが時代は変わるものでネット通販が一般的になってくると他県のお客様からの問い合わせなども増え、更には境港が観光地として認知度が上がり観光客が当店へも訪れるようになると「甘鯛の干物がないか?」と聞かれることが多くなりました。
ほんと時代の変化を感じます。
甘鯛の干物の根強い人気も再認識しましたね~w
こんなに美味しい甘鯛ですのでこれからどんどん作っていこうと思っています。
あまり境港に水揚げされないのと、水揚げされてもセリ値が高くてこちらの思う条件に合う事が少なく作る機会は少ないのがネックですが・・
「境港産甘鯛の干物」ぜひ一度ご賞味ください。