2015年11月に93歳で亡くなった境港市出身の漫画家、水木しげるさんの命日の30日、水木しげる記念館(同市本町)の前庭に献花台が設けられた。中村勝治市長や水木しげるロードの商店主、市民、観光客らが花を手向け、市の観光振興に寄与した功績に感謝しながら故人をしのんだ。
献花台は同ロード振興会が設置。地元の華道家が、水木さんの明るさやオーラを表現して花や葉を生け、ほほ笑みをたたえる水木さんの写真や鬼太郎の縫いぐるみが飾られた。
水木さんが暮らした東京都調布市では命日を「ゲゲゲ忌」として行事を展開しており、境港市でも前庭に水木さんの略歴や魅力を伝える新聞の号外を模したパネル(縦1・8メートル、横1・55メートル)を一日限定で設置。来場者はパネルの穴から顔を出し、水木さんと一緒に号外に載った気分で写真を撮っていた。
館内では、水木さんの写真約20点を展示。入館者には、水木さんが好きだったというバナナなどがプレゼントされた。
家族旅行で訪れ、命日だと知ったという広島県廿日市市の主婦、斉藤英子さん(62)は「子どもの頃、兄が『ゲゲゲの鬼太郎』を好きで、息子も好きだった。水木さんの人生をドラマで見て、人は努力が大切だと学んだ」と話した。(井川朋子)