毎年マグロシーズンとかち合うのがエノハ(ヒイラギ)ですね。
先々週頃からようやく中海や境水道で釣れ出したと聞きましたし、市場でも新鮮なエノハを目にするようになりました。
今年の釣れ始めは船からじゃないと釣れないと言っていましたが、今は陸からの投げ釣りでも数が出るようです。
正式名称は「ヒイラギ」と言いますが、鳥取では「エノハ」、岡山では「ギギ」「ゲッケ」なんて呼ばれています。
魚の形が柊(ヒイラギ)の葉っぱに似ていることから「ヒイラギ」という名前がついたとされています。
当店のある境港の地元のお客様はこのエノハが大好物で、エノハがあるとこぞって購入されていきます。
昔から中海~境水道にかけてエノハが多く獲れていましたので地元で最もなじみの深い魚の一つです。
食べ方は煮付けが殆どで甘く旨味の強い味を楽しむことができます。
エノハが10㎝程度の大きさなので食べる時に身を取るのが面倒ですが、身離れが良いのであまり苦にはなりません。
煮付けても大変美味しい魚ですが、焼いて食べるのも絶品ですので我が家では炭焼きで食べることが多いですね~。
炭焼きにすると脂がしたたり落ちるほど脂のノリが良くて、見た目からは想像できない濃厚な味を楽しめます。
焼きあがったエノハに柚子やレモンなどの柑橘類を絞ってやれば、更にエノハの濃い味が生きてきます。
濃い味なので白ワインがピッタリあって言うことなしの美味しい魚です。
エノハの塩焼き、おススメです。
エノハ自体が旨味があって美味しい魚なので煮付け、塩焼きだけでなくどんな料理でも美味しく頂けます。
お客様の中にはエノハの刺身を好んで食べる方もおられて当店に来ては大きめのサイズのエノハを選んでいかれます。
サイズが小さいので3枚におろすのが大変らしいですが、面倒さを我慢できる最高の味だそうです。
フライ・から揚げでも大変美味しく頂けて、オールラウンダーな魚と言えますね。
エノハのサイズが小さくて料理するのが面倒ですが、ぜひ色々挑戦してもらって一度は食べて頂きたい魚ですね~。
境水道や中海で春ごろから釣れ始めるエノハですが、毎年決まった時期に突然釣れなくなります。
原因は6月頭に始まる境港の黒マグロの水揚げです。
船からクレーンで市場に降ろされたマグロは即座にエラやハラワタを抜かれて鮮度を保つ処理を施されますが、その際に出るマグロの血が境水道に流されると、なぜかパッタリとエノハが釣れなくなります。
エノハが血の臭いを嫌ってどこかへ行くのか、それとも食欲をなくすのかわかりません。
あれほど釣れていたエノハは何処に行った?という感じですw
マグロの水揚げが終わるとまた釣れ始めるのですが、不思議な話ですね~。
このエノハの釣りの話は外江近辺の漁師の間では常識ですので、かなり昔からそういった現象が起こっていたんでしょうね。
エノハの塩焼きだけではお腹も膨らみませんので、境港産黒マグロのカマも炭焼きで頂きました。
脂が凄くて写真の様に炭に落ちた脂が燃え上がってキャンプファイヤーの様な状態でしたが、こんがりと焼けたカマはジューシーでとろけるような脂を楽しめました。
マグロは骨以外捨てる部分が無いという程多くの部位が食べられますが、1匹から2つしか取れないカマ部分は貴重で最高に美味しい部分ですね。
海鮮BBQの材料の一つとして境港産黒マグロのカマはどうですか?