11月6日にズワイガニ漁が解禁となってからは、日本海山陰の鮮魚関係者は大忙しです。
当然当店でも目の回るような忙しさで、勢子ガニ、松葉ガニ、紅ズワイをボイルしたり大きさで選別したりという作業できりきり舞いしています。
カニを仕入ても中には身があまり入ってないものや脱皮後でまだ甲羅が柔らかいもの(ヤワラといいます)、甲羅に異物が付着しているもの(ヤケ)、1本なし(1本脚なし)、2本なし(2本脚なし)、3本なしなどでも選別します。
カニの場合仕入れても何割かは必ず商品として売れない物が混じっています、これをお客様に出す訳にはなりません。
これはボイルされたセコガニと松葉ガニになります。
ボイルされたカニはそのままではカニから出たタンパク質が茹で卵の白身のようになって甲羅に付着していたり、甲羅に元々付着していた黒い墨のようなヤケの残骸が付着していますので、これを綺麗に拭いてやります。
これがヤケ(脚の部分が黒い)と背中の丸いものはカニビルというヒルの仲間の一種の卵です。
カニビルはカニの身に寄生したりすることはなく、また茹でると死滅しますのでなんら問題はないのですが、中には気味悪がる人もいらっしゃるので取ってしまいます。
また、甲羅に付着しているカニビルの卵は殆どが孵化後のもぬけの殻です。
ですのでみなさんカニを購入されてこのカニビルが甲羅に付着していても気にする必要はありません。
そのまま甲羅ごと鍋にぶち込んでもかまいません。
また、脚の黒い「ヤケ」ですが、これはカニの表面の傷などに付着した汚れが蓄積したものです。
こちらも害があったりするものではありません。
むしろこのヤケがあった方が身が詰まっていると言われています。
甲殻類のカニは脱皮を繰り返して大きくなりますが、脱皮をすると当然ながら汚れていない=ヤケのない新しい甲羅になります。
カニの身が詰まっているかどうか(身入り)は、脱皮してからの経過時間に比例すると言われています。
ですのでヤケがある=脱皮してから汚れが蓄積するほど年数が経っている=身が詰まっているということになります。
あくまでも目安ですが、カニを選別するときの参考にしてください。
これを一枚ずつ綺麗に取ってやります。
これが結構な手間でほとんどの鮮魚店は何もしないか、水をぶっかけてタワシでこすります。
水を使うとカニの身にどうしても水が入ってしまい水っぽくなるので当店では水を使わずにタオルで拭いてやります。
この過程で欠けた脚の数やヤワラ、ヤケの付き具合によって選別します。
ぜひ一度日本海境港の松葉ガニ、勢子ガニを味わってみてください。
美味しいですよ。