かやの鮮魚店は一週間のうち火・水・金・土の4日間、時間は午前中のみという形で移動販売をしています。
軽トラックの「かやの号」で決まったルートを回り、決まった地点で荷台に積んだ鮮魚をお客様に販売する形式です。
販売地点と時間が決まっていますので、当店の魚を心待ちにしてくれているお客様は「かやの号」の到着を販売地点で待ってくれています。
この当店を待ってくれているお客様が視界に入ったその時、鮮魚移動販売をしている物として大変嬉しい瞬間の一つですね~、魚屋冥利に尽きますw
毎日行く所もありますが一週間に一度しか行かない所もありお客様と顔を合わす頻度は違いますが、決まった地点で見慣れた顔を見るのは高齢化が進む現在ではやはり安心します。
当店のお客様の多くは高齢のおじいちゃん、おばあちゃんですので、最近見ないな~と思ったら入院していたり、施設に入っていたりする事がここ数年特に増えていますからね~。
最近は長年の付き合いのお客様の訃報も増え、寂しい思いをしています。
絶対に避けられない日本の高齢化社会問題、かやの鮮魚店でもヒシヒシと肌に感じるほど身近な問題になってきました。
観光客相手やネット世界だけの鮮魚店なら高齢化はあまり関係ないかもしれませんが、地域密着型の当店のような鮮魚小売り業者は地域の現状としっかり向き合っていかないといけないと考えています。
当店の移動販売の場所は公民館や地域の老人の集まるサロン、パン屋さんなどの商店など色々ありますが、基本的に人が集まることができる場所ですので、顔を合わせたお客様同士自然と会話が始まるようです。
また販売地点で鮮魚販売を始めると各々が鮮魚を選び、魚の種類や料理方法などでお客様同士がコミュニケーションを取り始めます。
いわば一種の社交場としての役割を果たしており、住民同士の交流のきっかけになっていることを感じます。
この住民同士の交流がいかに大切なのかは様々な資料で取り上げられていますが、
ざっと上げただけでもこれだけの問題が住民同士の交流によって解消もしくは維持できると言われています。
一番わかりやすいのは高齢独居の孤独死問題ですね~。
当店でもそれまで来られていたお客様が見えなければやはり「どこか具合が悪いのだろうか?」なんて気にしますし、なんなら近くの人なら家まで行って呼び鈴ならそうか?なんて思いますからね。
実際そういった事も何回かありましたし。(お亡くなりになっていた事はなかったですが、足を痛めて出てこれなかったことはありました。)
これが全く地域との交流がないと誰も気が付かなくて、亡くなってかなりの年月が経ってから白骨死体で見つかるなんてこともあり得ますからね。
お互いの存在を確認しあうという事は大変重要だと思いますね~。
防犯機能、連絡機能、防災機能の維持はみなさん喋っていますね、いわゆる世間話というやつでw
人が集まりコミュニケーションを取ると自然とこういった街の機能は維持されるんですね、不思議なもので。
移動販売が住民同士の交流の場になっている現実は大変嬉しい事で、地域の活性化にわずかながら貢献できていると思っています。
当然ながら今後も地域の交流の場としての移動販売を続けていきたいと思っていますが、大切なのはやはりお客様に喜んでもらえる品揃え、工夫ですね~。
昨年から境港市社会福祉協議会の声掛けで買い物支援活動に協力させて頂いていますが、境港市社会福祉協議会の買い物支援活動と、かやの鮮魚店の移動販売はゲーム機とゲームソフトの立ち位置ですね。
ゲーム機の性能が良くてもゲームソフトが全く面白くなければみなさん二度とゲームをしません。
劇場と芝居の関係と言った方が分かりやすいかもしれません。
劇場がいかに立派で綺麗で快適でも芝居が面白くなければ人は集まることはありません。
社会福祉協議会買い物支援活動でお客様が集まってもコンテンツとしてのかやの鮮魚店の魚が満足できるものでなければ、買い物支援(移動販売)は継続できません。
地域の交流の場を維持する為にも当店の責任重大ですね~w
これからも心を引き締めて良いお魚をお届けるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします!!