お客様からの予約があった アンコウ を入荷しました。
日本で主に食べられているアンコウは、キアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)の2種類ですが、写真のアンコウはキアンコウ(ホンアンコウ)になります。
アンコウ(クツアンコウ)は口の中に白い斑紋があるのに対して、キアンコウ(ホンアンコウ)にはそれがなく色も白っぽい点が違います。
また大きさが違いキアンコウ(ホンアンコウ)の雌が1mを超えるのに対し、アンコウ(クツアンコウ)は50㎝程度にしかなりません。
一般的には写真のキアンコウ(ホンアンコウ)をアンコウと言いますので、ここからはアンコウという呼び方で統一します。
アンコウの旬はもちろん冬で、雌しか食用となりません。
江戸時代には「三鳥二魚」と呼ばれる5大珍味の1つで高級食材でした。
ちなみに三鳥二魚とは、鳥:鶴(ツル)・雲雀(ヒバリ)・鷭(バン)、魚:鯛(タイ)・鮟鱇(アンコウ)のことです。
私は魚の珍味である鯛と鮟鱇、鳥は鷭(バン)を食べたことがありますが、鶴と雲雀がそんなに美味しいんですかねぇ。
一度食べてみたいですけど鶴も雲雀も狩猟鳥獣でもないし、販売されてもいませんので食べる機会はなさそうですね。
中国でも行けば食べられるかもしれませんね。
表面がヌルヌルで体の大きいアンコウはまな板の上では捌きづらいので、鉤状の金具でアンコウの下顎を引っかけて吊して捌く「吊るし切り」という解体方法が一般的です。
当店では箱の上で腹を割って肝や胃などのハラワタを取り出してから、「吊るし切り」をします。
ハラワタを取っていない状態のアンコウを金具に引っ掛けるのが結構な力がいるのと、不器用な私が鮟鱇を吊るして解体すると大切な肝なんかを落としてしまうことがあるのでそうしています。
アンコウと言えばやっぱり「あん肝」ですね。
見た目や食感から海のフォアグラと言われる「あん肝」が珍味として大変人気があります。
冬にはこのあん肝が大きく肥大化するので一番美味しい時期とされています。
図体が大きいだけあってあん肝も大きかったですね~。
トモ(ヒレ)、カワ(皮)、エラ、キモ(肝臓)、水袋(胃)、ヌノ(卵巣)、ヤナギ(身のこと、柳肉 りゅうにく)を7つ道具と呼び、アンコウでは他の魚では棄てられる皮やエラなども食べられます。
顎や骨以外が全てが食べられる魚で、しかも身以外の皮や肝が美味しいとされる魚って、変わっていますね。
それぞれの道具(部位)が異なる食感と味を持つので、色々な味わいを一度に楽しめるおトクな魚ですね。
身(ヤナギ)は淡泊な白身で上品な味を楽しめます。
アンコウ鍋で食べるのが王道ですが、フライでもから揚げでも美味しくいただけます。
ただアンコウ鍋の場合は身(ヤナギ)は脇役で肝や皮などがどちらかというと主役ですね。
美味しそうなあん肝ですね~。
あん肝はビタミンA・ビタミンB12・ビタミンD・DHA・EPAなど栄養価も高く、食感などから海のフォアグラと呼ばれる程の珍味です。
肝は鍋で茹でてからポン酢と紅葉おろしで食べると最高ですね。
アンコウは一冬に一度は食べておきたい魚ですね。
ぜひ一度ご賞味ください。