毎年新年明けると出雲大社にお参りに行っていますが、ことしは美保神社にもお参りしてきました。
出雲大社のご際神が大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)で、美保神社のご際神は大国主大神の息子の事代主神(コトシロヌシノカミ)と親子神であることから、松江観光協会が「両参り」で「両思い」が成就するとのPR戦略を展開。
パワースポットブームも追い風となったことから観光客が増え、昨年の美保神社の参拝客は過去最高の42万人にもなりました。
美保神社は決して広い神社ではありませんので、42万人もの人が訪れたとなると結構な賑わいだったと思います。
出雲大社は正月早々に行ったこともありこちらも大変な賑わいでした。
平成二十年から始まった「平成の大遷宮」も平成二十八年三月には境内境外の全ての御社殿の御修造遷宮が完了したので、工事中だった以前と比べ出雲大社も落ち着きを取り戻して来ました。
正月の三が日は混雑するだろうと思って日をずらして参拝しましたが、さすが出雲大社だけあってお参りされる方は多かったですね。
日本を代表する観光地ということもあって外国人の姿も多く見かけました。
「だいこくさま」として慕われている大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)にまつわる神話としては
などがありますが、やはり一番馴染み深い神話は「因幡の白兎」ですね。
弟の八十神達の求婚の旅に荷物持ちとして付いていた大国主命が、毛を剥かれたウサギを助けます。
このウサギはワニザメを騙して隠岐から鳥取に渡ってきたのですが、騙されたことを知った最後のワニザメに毛を剥かれ、傷を負っていたのです。
八十神がウサギに嘘の治療法を教え傷はひどくなったが、大国主命が正しい治療法を教えてウサギの傷を癒したところ、ウサギは「八上姫(八十神の求婚相手)はあなたと結婚するでしょう」と予言、八上姫は予言通り大国主命を結婚相手に選びます。
大国主命は八上姫との間には木俣神(御井神)という神を授かっていて、木俣神は木の神様、安産の神様として祭られています。
ちなみに大国主命は八上比売(ヤカミヒメ)以外に須勢理毘売(スセリビメ、スサノオノミコトの娘)、神屋楯比売(カムヤタテヒメ、美保神社のご際神:事代主神の母)など多くの女性を妻にして百八十一柱もの子を授かったと言われています。
そして大黒様のお子さまの一人が事代主神(コトシロヌシノカミ、えびす様)として美保神社に祭られています。
銅鳥居の脇にある牛馬舎の牛と馬の像です。
神馬は子宝・安産に、神牛は五穀豊穣にご利益があるそうで、参拝者に盛んに撫でられていました。
何故神馬と神牛の像が出雲大社にあるのか不思議ですが、どうやら出雲出身である菅原道真公と関係があるようです。
日が変わって行ってきました、美保神社。
駐車場が少なくて車を止めるのに苦労しましたので、正月三が日だと車なんかでは来ない方がよさそうですね。
調べて見ると正月三が日は米子空港~JR境港駅~美保神社への直行バス(ゑびすライナー)が運行されているのと、美保関灯台駐車場が臨時の無料駐車場として開放されるようです。
美保関灯台からは無料シャトルバスが運行していますので、これなら車で行っても安心ですね。
車は美保神社の鳥居の近くのお土産屋さんの前に停めたので、手水舎までわずか30秒程度です。
この日は前日までの雪が積もっていたのと、人が歩くところは踏まれた雪が固く氷になっていたので非常に足場が悪かったです。
美保神社のご際神は大国主大神の息子の事代主神(コトシロヌシノカミ、えびす様)と三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)になります。
三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)は天上界にあった高天原の高皇産霊尊(高御産巣日神、タカムスビノカミ)の娘様で、大国主神の奥さんになります。
事代主神(コトシロヌシノカミ、えびす様)は大国主神(だいこく様)の息子さんですから、えびす様は義理の母親と共に美保神社に祭られていることになります。
天孫降臨の瓊瓊杵命(ニニギノミコト)のお母さんが高皇産霊尊(高御産巣日神、タカムスビノカミ)の娘さん、栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメノミコト)ですので、三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)は瓊瓊杵命(ニニギノミコト)の叔母さんになります、ややこしいw
1月14日にお参りしましが参拝者は途切れることなく来ていましたね~、松江観光協会の頑張りで人気が出てきたんでしょうね。
お父様(大国主神)がご際神の出雲大社、息子さん(事代主神)とお父さまの奥さん(三穂津姫命)が祭られている美保神社を「両参り」で「両思い」が成就するって、ちょっと強引な気がしますが・・
事代主神(えびす様)は「海上安全、大漁満足、商売繁盛、音楽」の守護神として、三穂津姫命は「五穀豊穣、夫婦和合、安産、子孫繁栄、音楽」の守護神として篤く信仰されています。
事代主神(えびす様)は美保灯台から4Km程沖合にある、磯釣りで有名な「沖の御前」で釣りを楽しまれたことがもとで「漁業の祖神」としても有名です。
本殿は事代主神(えびす様)の御殿と三穂津姫命の御殿が並んでいて、二殿を「装束の間」でつないだ特殊な形式になっています。
写真二枚の社殿の屋根の上にあるアンテナの様な木を千木と言いますが、水平に削られている(内削ぎ)社殿は女神である三穂津姫命を祭っています。
祭神が男神の社は千木が外削ぎ(先端が地面に対して垂直に削られている)になりますので、事代主神を祭っています。
美保神社は神事も多く4月には青柴垣(あおふしがき)神事、12月には諸手船(もろたぶね)神事が行われ、どちらも国譲り神話に因むものです。
境港近辺には歴史ある文化財がたくさんありますね~、時間があればいろんなところを回ってみたいです。
参拝が終わるとぶらっと「美保関、青石畳通り」を歩きましょう。
今日は雪が積もっていたので滑って転びそうで楽しめませんでしたが、歴史を感じさせる旅館や老舗の醤油藏が並んでいて大正時代にタイムスリップしたような感覚を味わえます。
天気の良い時はこんな感じの通りです。