鳥取県農業試験場(鳥取市)は、台風などの強風時に白ネギの曲がりを防止する「ローラー式培土器」を開発し18日、境港市中海干拓地の県園芸試験場弓浜砂丘地分場で試作機を生産者らに公開した。
管理機の後方部分に取り付けられた「ローラー式培土器」を説明する県農業試験場職員=18日、境港市中海干拓地
白ネギの風害対策では、くわで畝肩の土をネギの株元に押し込む対策が講じられるが、手作業では1日8時間で10アールが限度。風が強い弓浜半島の農家から機械化の要望が上がっていた。
ローラー式培土器は、白ネギ畑で使用されている管理機に装着して使う。左右に直径9~12センチの3体のパイプ製のローラーが角度を変えて取り付けられ、白ネギへの負荷を低減しながら段階的に株元に土をせり上げる。左右のローラーは伸縮し、作業幅を変えることが可能。畝高25~40センチに対応できる。
作業速度は10アール1時間程度で 手作業の約8分の1に短縮でき、1日80アールの作業が可能。特許を出願している。
公開には、生産者や農機具メーカーの関係者ら約50人が参加。境港市内で白ネギを大規模生産する河岡誠さん(31)は「今年の台風21号では壊滅した畑もあった。面積が多いととても手が回らない。実用化できるのでは」と期待した。
開発に当たった県農業試験場作物研究室の徳田要介さん(64)は「農家が困っているので、何とか応えたいという思いで取り組んだ。メーカーに安価で作ってもらい、普及していけば」と話した。(久保田恭子)