お寿司のネタとして人気の赤貝をめぐって、ある騒動が起きている。今の時期、身が太くなる赤貝。
しかし、漁獲量が年々減少しているため仕入れ価格も高騰し、国産の赤貝は「高級品」として流通が減っている。
その赤貝の代用品となるのが“ある貝”だが、実は今、その盗難が相次いでいる。
養殖の現場を取材すると、卑劣な盗みの手口が見えてきた。
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鳥取県と島根県にまたがる湖、中海(なかうみ)を訪れた。ここで採れるのが赤貝の代用品「サルボウ貝」だ。
漁師・小笹達夫さん「ここら辺では赤貝というんです。正式名は『サルボウ貝』」
地元では“赤貝”と呼ばれている中海産のサルボウ貝。赤貝と似たオレンジ色の身で、今が旬の高級貝だ。かつては一大産地だったが、環境悪化で“赤貝”が姿を消し、漁協は復活に向けて5年前、カゴでの養殖を始めた。しかし出荷直前の先月、何者かにカゴごとすり替えられたという。
小笹さん「カゴがきれいなんですよ。本当だったらもうちょっと汚れてね。他のカゴとすり替えられた」。
通常の“赤貝”のカゴと比べると、すり替えられたとみられるカゴは、汚れがついていないことがわかる。中身も小さな“赤貝”にすり替わっていたという。
さらに10月、11月にも、カゴごと盗まれる被害があったという。小笹さんは、“赤貝”が高値で取引されることから狙われたと考えている。
小笹さん「本当に腹が立って、なんにもやる気がなくなった。3日間くらい。本当に悔しくて情けなくて…」
盗まれたのは、合計で約400キロ。被害総額は80万円にものぼるという。
ようやく“赤貝”の出荷量が増えてきた中での盗難に、漁協は――。
中海漁業協同組合・外谷久人組合長「(盗難は)非常に残念ですけど、なんとしても(産地を)復活させてくれと、期待をいただいてますので」
松江の郷土料理にも影響が出ている。連日、完売するほど人気の“赤貝めし”弁当。甘辛く炊きあげた“赤貝”がたっぷり入っているが、盗難にあったことで仕入れが減少したという。
一文字家・景山直観社長「漁師さんたちの魂がここに入っているので、地元の人間としては本当にショックでした」
漁師は、今後も盗難が続くようなら警察に被害届を提出するという。
引用 yahooニュース 養殖場から出荷直前“貝”盗難…その手口