ギンザケ 幼魚次々 境港、沖出し作業本格化
鳥取県境港市沖の美保湾で、来春出荷する ギンザケ の海面養殖が始まり、陸上で育てた幼魚約130万匹を沖合のいけすに移す作業が27日、本格化した。
沖出し作業は12月下旬まで続く。
岸壁のいけすで海水に慣らされたギンザゲの幼魚をホースで運搬船に移す社員たち=27日、境港市昭和町
事業を手掛ける日本水産グループの弓ケ浜水産(同市竹内団地)によると、幼魚は県内外8カ所の養魚場で卵から約1年間かけて育てられる。
平均サイズは全長25センチ、体重250グラム。境港市の沖合3キロに設置した海面養殖場のいけす24基で約50センチ、2キロに成長させ、3月中旬から5月中旬にかけて出荷する。
この日、沖出し作業の基地となっている同市昭和町の物揚げ場に、計約15トンの幼魚を載せたトラックが米子市淀江町などから次々と到着。
同社の社員10人が、幼魚を運搬船の水槽や海水にならすためのいけすにホースで移し、一部は養殖場に放たれた。
同湾のギンザケ養殖は、日本水産グループが宮城県女川町で手掛けていた養殖場が東日本大震災で被災したのがきっかけ。
事業化5年目の今季は昨季の1・5倍となる2400トンの出荷を見込む。弓ケ浜水産の横山宏業務課主任は「本年度は女川でやっていた時の数を超える。最後までしっかりと取り組みたい」と話した。(久保田恭子)